アルコールに強い、弱いの本質は?
朝日デジタルに「日本人、酒に弱く「進化」遺伝情報から判明」が載っていた。目にした人も多いと思う。
日本人の遺伝情報を調べたところ、お酒に弱い体質の人が増えるよう数千年かけて「進化」してきたことが、理化学研究所などの分析でわかった。詳しい原因は不明だが、アルコールに弱い体質が何らかの理由で環境への適応に有利に働いたとみられるという。24日付の英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに発表した。朝日新聞デジタル小宮山亮磨「日本人、酒に弱く「進化」遺伝情報から判明」2018年4月27日11時00分
アルコールが分解されて、体外へ排出されるまでを、ざっくり説明すると、
アルコールは、肝臓でアルコール脱水素酵素(ADH1B)によって、アセトアルデヒドに分解されます。そして、アセトアルデヒドは、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2)によって、酢酸に分解、代謝され、最終的に体外へ排出される。
日本人は、高活性、活性が95%で、低活性が5%
日本人は、活性50%、低活性40%、非活性10%
アルコールに強いと思っていても、実は、リスクが高い人
2つの酵素の働き方で、分類してみる。
アルコール脱水素酵素ADH1B 高活性・活性
ほとんどの日本人は、アルコール脱水素酵素ADH1Bは、高活性か活性で、アルコールが体内に入ると、比較的早くアセトアルデヒドになる。これ、有毒物質ね( `д´)b
アルデヒド脱水素酵素ALDH2 活性
アセトアルデヒドが早く分解されて無害となるため、遺伝的にアルコールに強い人である。日本人のほぼ半数。欧米人はほぼ全員。
アルデヒド脱水素酵素ALDH2 低活性
アセトアルデヒドの分解に時間がかかるため、顔が赤くなる。アルコールの量が増えると、気分が悪くなって、ゲーッとかなっちゃう人ね。二日酔いにもなりやすい。
でも、続けて飲んでいると耐性ができて、多少強くなったような気がしてくるのだよ。しかし、本質的にアルコールに強いとは言えず、健康障害のリスクが高くなる(゚д゚)!
アルコール脱水素酵素ADH1B 低活性
アルコールが体内に長時間残るため、酔っている時間が長い。有害物質のアセトアルデヒドが出来るのに時間がかかる。
アルデヒド脱水素酵素ALDH2 活性
アルコールの分解に時間がかかる。酔って気分が良い状態が続く。アセトアルデヒドは早く分解される。赤くならないし、気分も悪くならない。こういう人は、アルコール好きが多い。アルコール依存症に最もなりやすいタイプ(゚д゚)!
アルデヒド脱水素酵素ALDH2 低活性
アルコールの分解に時間がかかる。酔って気分が良い状態が続く。アセトアルデヒドも分解されず長時間体に残るので、アルコールの量が増えると、気分が悪くなる。厄介なのが、気分が悪くなるのに時間がかかるため、アルコールに強いと勘違いしやすい(゚д゚)!
最後に、アルデヒド脱水素酵素が、非活性の人は、毒性の強いアセトアルデヒドを分解できないので、アルコールは飲めない。アルコール依存症になる心配はないけど、無理に飲んだりすると、急性アルコール中毒になるので危険(゚д゚)!
ややこしくしちゃったけど、簡単に言えば、アセトアルデヒド脱水素酵素ALDH2が活性な人は、アルコールに強く、低活性、非活性の人は弱いのだ。。。早く言えよ~!!
日本人は進化して、アルコールに弱くなってきた
今回の、研究結果は、100世代を経て、日本人がアルコールに弱くなった。これは、「適応進化」だと言う。
適応進化
生物の性質が、世代を経るごとに周囲の環境に対応して変化していく現象。ゲノム配列上に生じた遺伝的変異が、周囲の環境に適用して生存が有利となった個体を中心に集団内で拡散していくことで、集団内におけるゲノム配列の多様性に変化が生じる。
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構
”全ゲノムシークエンス解析で日本人の適応進化を解明―アルコール・栄養代謝に関わる遺伝的変異が適応進化の対象―”
適応進化の実例として、アフリカの人は、マラリアに感染しにくくなった、チベットの人は、高地に住んでいて、低酸素環境に適応していった、など。
と言うことは、アルコールに弱くなることが、日本人にとって有利だからこそ、受け継がれてきた。だけど、なぜ日本人にそれが有利なのかは、今の研究では、わからないのだそうだ。
まとめ
理由はわからないが、日本人はアルコールに弱い人が、世界的にみても多いのだ。これは、遺伝なので逆らえない。受け入れましょう。
最近の芸能人の事件を見ても、アルコールに弱いことがよくわかる。目が覚めたら、犯罪者だった。それも記憶がないのに。えっちゃんなら、こんな恐ろしいことは経験したくない。
どうだろう、ここでアルコールを飲む人は、自分がどのタイプなのかを判断して、自分に合ったアルコールの飲み方を、もう一度考えては?
そして、アルコールを飲むことを、酔うための目的ににせず、味わう事を大切にする。美味しいものを食べるのと同じように。いくら美味しくても、吐くほど食べることはしないでしょう。
どうですか? 下戸のえっちゃんからの提案です(゚∀゚)/