受刑者の生活費を負担するのは、嫌だ!
人が集まれば、多かれ少なかれ、ルールを守れない人が出てきます。
ルールを守れない人がいると、社会が不安定になります。
ルールを破った者は、とりあえず隔離していただく…
しかし、冤罪を防ぐために、刑が確定するまでは、時間とお金がかかります。
さらに、刑が確定した後も収容するためのお金がかかります。
そのお金は、私たちの税金からまかなわれます。
なんとなくモヤモヤします? 犯罪者に税金を使うなんて?
えっちゃん、この部分は、かなりスッキリ賛成です。
日本という国で、日本人として、日本国憲法に守られながら生きていて、
犯罪と直接関係がないとしても、自分や家族を守るため、安心を得るための、
言いかえれば、安心を買うためのお金だと思っています。
ただ、死刑囚は、社会復帰することはないと考えると、
何年も生かして、税金をかけることに意味があるのかという疑問もあります。
ではなぜ、死刑執行までに時間がかかるのでしょうか?
死刑確定後、死刑が執行されるまでの期間はどのように決まるのか?
死刑確定後6ヵ月以内に行うように決められているようですが、実際は6か月以内に行われたことはないようです。
死刑執行は、
法務省の事務方が順番を決めて、法務大臣に申請し、
法務大臣が決断しサインをすることで、執行される。
長期間、執行されない大きな理由の一つは、法務大臣が決断しないことです。
なぜサインをしないのでしょうか?
死刑は、国が被害者、被害者遺族に代わって、犯人を殺す刑罰です。
国を成立させているのは、国民です。
大臣も、ふつうの国民です。
人を殺せと命ずるのに、簡単に決断がつかないのも当然ではないでしょうか。
さらには、大臣が、死刑廃止論者だったら、その間は死刑執行はないですね。
いずれにしても、
法務省の事務方のお役人は、どんな理由で順番を決めているのか、気になりますが、
執行されるまでに、かかわる人たちの苦悩が見え隠れします。
もし、規定通り6か月以内に死刑執行すれば、税金の無駄遣いだと言われる問題はなくなりますね。だったら、法律を変えればどうでしょう? 大臣のサインが無くても、執行できるように。事務的に執行していけばよいのですよ。
しかし、今までそうなっていないのは、なぜでしょうね。
懲罰感情を満たすための死刑
えっちゃんは、犯罪で家族を亡くしたことがない。
被害者遺族の方々と同じ気持ちになることは不可能です。
でも、自分の家族が殺されたら、
犯人を心の底から憎むでしょうし、
殺してやりたい気持ちでいっぱいになると想像できます。
いわゆる懲罰感情です。
この感情を収めるために、自分に代わって、
国家に犯人への復讐をゆだねることになります。
そして、死刑が執行されることで、この懲罰感情が満たされる。
または、死刑によって心の区切りをつけるのかもしれません。
これも、人それぞれだと思うのですが、
被害者遺族の心情を考えれば、死刑も致し方ないと言われる理由です。
しかし、死刑以外にこの感情を収める方法はないのでしょうか。
命は命でしか償えない
懲罰感情の流れで行くと、
命は命でしか償えない=死刑
いわゆる「目には目を歯には歯を」ですね。
敵を討つ、復讐することは、大昔から人間がやってきたことです。
殺された被害者の無念を晴らすためにも。
ときによって、人を殺すことは悪ではなく、善になるのです。
もっと言うと、
ときによって、
人を殺すことを奨励され、
殺したことを賞賛される。
話はちょっとズレますが、例えば、
日本は、世界で唯一、原爆を落とされた国です。
子どものころから戦争、原爆の酷さを教えられます。
しかし、原爆投下は正しかったとする意見があります。
日本は戦争のもと、極悪非道なことをしていたから、
原爆を落とされても、致し方なかった。
そうするしか方法がなかったと。
大雑把に、原爆を投下した側からすればそれが正論で、
投下された側の日本人のえっちゃんは、
はい、そうですとは、思えない。
日本の暴走を止める唯一の方法だったと言われても、
他の方法があったのではないかと考えます。
原爆を落とす側=死刑執行する側
原爆を落とされる側=死刑囚
ある人からすると、これは正義で、
ある人からすると、無差別殺人。
立場がわかれば、感じ方も変わります。
これでは、どうやっても対立しか生まれません。
相手の立場を理解し、独善にならないようにすることが大切です。
最後に、死刑と支援
結局のところ、
死刑制度にイエスかノーか?
死刑制度は善か悪か?
自分が、どの立ち位置かで答えが変わるし、
さらに、人を処刑することも善になったり悪になったりする。
今、考えたいもう一つのことは、
加害者家族への支援です。もちろん被害者家族への支援は大切です。
しかし、加害者の家族は、社会的制裁を受け、辛い生活を強いられると想像できるし、
加害者の家族への支援は、理解を得るのが難しそうです。
加害者、被害者どちらも何時わが身に降りかかるかわかりません。
ただ、身近に当事者が現れた時のことは、考えておこうと思います。
現在の死刑囚の一覧